アーバンコンピューティング

TOC


アーバンコンピューティンググループでは,エリアレベル・都市レベルといった広範囲を対象に,より効率的で快適な生活を実現するための研究を行っています. バスの運行実績のような交通に関するデータ,パケットセンシングやGPS・カメラで得られる人流に関するデータの分析が主となっています. また,都市レベルの大規模人流交通流連携シミュレーション基盤の開発も行っています.

Wi-Fiパケットセンサを用いたレジャー施設人流推定

wifi

本研究では,東山動植物園に設置したWi-Fiパケットセンサを用いて,入園者の人流推定を行っています.スマートフォンやタブレット等のWi-Fi機器から送信されるプローブリクエストに含まれるMACアドレスに匿名化処理を施したうえで,入園者ごとの移動系列データを作成します.作成した移動系列データを分析し,園内の混雑度合いや移動ルートなどを推定します.推定した人流データを用いて,効率的な施設運営や入園者に向けた様々なサービスの構築を目指します.

3D通過センサを用いたプライバシーアウェア人流推定

3dpfsensor

本研究では,対象とするエリアの出入り口に設置した3D通過センサを用いて,プライバシーに配慮した人流推定を実現します.センサから得られるデータは,通過した人の身長・歩行速度・通過時刻・通過方向のみであるため,GPSやWi-Fiセンシングなどプライバシーに関わる情報を取得しません.全センサでの入退場間の身長や歩行速度の類似度を用いて,時間的に一人の動きと考えられるものを抽出して推定します.

粒度や形式の異なる時空間データの統一的保存抽出システム

saveext

モバイル端末やセンサ技術の進歩により多くの時空間データを得られるようになりつつあります.しかし,サンプルレートや解像度・フォーマットが異なる異種センサのデータを,容易・統一的に扱うための検討が十分なされているとはいえません.本研究では,時空間粒度が異なる複数種類のセンサデータをユーザが望む時空間粒度に変換できるシステムを作成します.粒度変換可能なデータを扱えるデータベース,データを統一形式で保存する機能,任意の粒度でデータを抽出する機能にわけて実現します.

異種ドメインエージェントを扱えて動的変更も可能な大規模分散シミュレーション基盤

simulation

人流・交通流のシミュレーションは,都市計画や避難計画・渋滞の予測/解析など,さまざまなところで活用されています. 本研究では,大規模化や異種シミュレータ間連携,データ同化、動的拡張という四つの機能を備えた,人流交通流シミュレーション基盤の研究開発をしています.エージェントの種類やエリア毎に分散して処理を行う分散型シミュレーションモデルを採用しています.また、複数資源への分散機能や柔軟な分散システム「Synerex」の使用など,さまざまな工夫を行いパフォーマンスの向上を図っています.